80年代グラフィティ400その8 YAMAHA FZ400R

80年代はレプリカブームでした。
今のような平和な世の中ではありません。
頭角を表すと必ずもっと強い(速い)ライバルが出てきます。
最速の座にずっといられるマシンなんてないんです。
ま、言ってみたら戦国時代みたいなもんです。
この時もGSX-R400が出てしばらくしてヤマハがFZ400Rを出して来ました。
これがまた凄いバイクでした。

ワークスマシンFZRのレプリカ

この頃、F3って言って市販400と250改造したマシンのレースが大人気。
国際ライダー達がワークスマシンとかで戦っていました。
自分の乗っているバイクが戦っているもんだからユーザーも盛り上がってサーキットなんていつも満員。
若いイケメンライダーをananが特集したりしたもんだからサーキットに若い女の子達が押し寄せたりしていたわけです。
いやー、本当に素晴らしい時代でした。

あ、ちょっと脱線しました。
このレースでヤマハはXJをベースにしたワークスマシンFZRを走らせていて、これがまた格好良かったんです。
そしたらそのマシンがFZ400Rとして、そっくりそのままのスタイルで登場してきちゃった。

「ウォー」って叫んじゃいましたよね。
GSX-R400の時はねぇ、レプリカっていっても写真でしか見たことがないわけですよ。海外で活躍していた耐久マシンだったしね。本物は排気量も400じゃありませんでした。でもヤマハのワークスマシンは国内のサーキットで活躍しているから身近だったんです。
つまり雰囲気を似せたレプリカではなく、本物にどれだけ忠実に作れるか、なんていう考え方にFZあたりから変わってきた感じがしました。

これも凄いバイクでした。
パワーはGSX-R400と同じ。乗った感じも同じくらいだった気がします。
でもポジションとかフィーリングとかが更に過激。
ストリートじゃちょっと疲れてしまうくらいのバイクでした。

当時、わたしはレースやっていたもんでFZ400Rの速さは良く覚えてます。
このマシンあたりからレプリカの過激さが更に加速した感じがします。

この記事をかいた人

後藤 武アイコン

二輪業界に長くいる、MotoBeのアドバイザー兼ライター。バイク全盛期を経験しており、現在の愛車はRZ250、Z1000、MACHⅢなど。

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