冬だからこそ、ウナギを食べに行こう
寒い時期っていうのはバイクで走るにはちょっと寒いこともあります。でも少し足を伸ばすと美味しいものがたくさんある幸せなシーズンでもあります。別企画で防寒ウエアの特集もしていることですし、ちょっと寒さ対策して美味しいもの、食べに出かけるのってどうでしょう?
実はこの時期、是非食べていただきたいのがウナギ。「ウナギは夏の食べ物だろう?」っていうのは素人。あれはその昔、ウナギ屋がウナギ売るために作った話。夏はウナギがたくさん捕れるから、その時期に大儲けしようとしたわけです。
頑張っても食べたい冬のうなぎ
でも実はウナギが一番美味しいのは秋から冬にかけて。寒い時期は身体に脂を蓄えて一段とふっくらしてくるわけです。どうです? 美味しそうでしょう?
最近絶滅危惧種とかに指定されて多少お高くなってしまいましたが、それでもまだ頑張ればお小遣いでなんとかなるレベル。ちょっとバイク走らせて美味しいもの食べに行く時くらい、ウナ重あたり奮発してみたいもの。
最近じゃコンビニとか牛丼店のレトルトウナギもありますが、貴重なウナギをあんな風に食べちゃいけません(個人的な意見ですが)。ウナギ好きならやっぱり丁寧に料理された美味しいウナギを食べるべきです(キッパリ)。
ということでウナギ好きな後藤お薦めの「この冬、バイクで食べに行きたいウナギ屋3つ」紹介することにしましょう。寒くなる時期なので都内からあまり離れてないところで選んでみました。
明治から続く老舗 川豊(成田市)
やっぱね、関東でうなぎ、って言ったらまずは成田山新勝寺の表参道ですよ。知らなかったでしょう? 試しに表参道、バイクでノンビリと流してみてください(駅の方から一方通行です)。アチコチにウナギのノボリがたっています。
実はこのあたりじゃ昔から成田山にお参りするためにやってきた旅人をウナギでもてなしていたんだそうです。それが今も続いていて表参道にはウナギ屋がたくさんあるわけです。しかもそのどれもがレベル高い。ま、これだけの店が並んでいるんだからそれも当然。
今回行ったのはその中でもダントツ人気を誇る川豊さん。
ここ、昔から続く店舗の雰囲気が素晴らしい。道路から見える場所で職人さんたちがウナギを捌いていて、いつも観光客が写真や動画を撮っています。この雰囲気だけで「ウナギ食わなきゃいかんな」って思わされちゃいます。見事な手さばき見ていると外国人達と一緒になって「WOW!」とか言っちゃいますよ、ほんと。
我々が行った時は週末だったので、ランチタイムの一時間ちょい前には到着するようにしました。おかげでギリギリで並ばずに入ることができました。ま、おいしい店で普通の時間に行ったら二時間待ち、三時間待ちは当たり前ですからね、今時。せめて頑張って混雑する前に行ってください。
そして出てきたウナギ。タレの味しつこくなくウナギ本来の味を大事にした感じ。(上うな重 ¥3100)
思っていたよりも蒸しが短かいのかウナギの味も濃いし身も柔らかすぎない感じ。力強い感じのうな重。なんか千葉って感じだな。東京のうなぎほど気取ってない(いや、私千葉県暮らし長いもので)。逆にフワフワ系が好きな人には歯ごたえあるって感じられてしまうかも。ま、我々取材陣は素晴らしい味に一瞬でお重を空にしてしまいましたが。
川豊本店
千葉県成田市仲町386
TEL:0476-22-2711)
http://www.unagi-kawatoyo.com
MotoBeメモ
バイクで行った場合、店舗の前には止められません。参道をそのまま下って行くと大きな駐車場があるのでそこで預けることになります。店舗までは数分歩きますが参道の雰囲気素晴らしいのでじっくり歩き回って、ぜひお参りもして行ってください。ちなみにスタッフは写真のお店でクズモチ買って帰りました。マッチングの良い他の観光スポットは水郷佐原の旧市街や前回掲載した水郷の信号のない道路あたり。たくさん走りたい方は水郷を通って銚子まで出で、そこから房総半島っていうコースなら走りごたえもあると思います。
湘南随一の人気ウナギ店 うな和(国府津)
次に行ったのは西湘国府津の人気店、うな和。
ここ、行くなら必ず電話してから。これがせ鉄則です。当日でもいいのでとりあえず電話してみること。予約でいっぱいだと並ぶこともできません。
幸い我々、平日ということもあって当日の電話で早めの時間に席を取ることができました。ちなみにこの時点でオーダーも伝えてあります。そんなこともあって待ち時間も短くて済みました。
出てきたウナギ、フワフワです。箸で持ち上げて撮影するのが難しいんじゃないかと思うくらい。この柔らかさは本当に感動。
ただ、当然ここまで柔らかいのはじっくり蒸しているからでその結果、余分な脂は落ちてます。絶妙な量の脂が身の隅々に回っているので味はとても美味しいし食べた瞬間、フワッと広がる関東風ウナギの美味しさが嬉しいんだけど、あまりに食べやすすぎてパンチがないぞ、っていう人もいるかも。
これでウナギ、ご飯が1.5倍くらいあれば「いゃ、ウナギ美味え、満足」ってなるんだろうけど大盛り命な人達は「食った気がしねえ」っと叫ぶかもしれません。ま、こういうのは最近どこのウナギ屋でも一緒だから大盛りお願いしください。ということで素晴らしい美味しいんだけど、ちょっとお腹が物足りない取材班でありました。
うな和
神奈川県小田原市国府津2-8-1
0465-47-2933
MotoBeメモ
うな和は西湘バイパス国府津インターの近く。つまり都心と伊豆箱根のちょうど中間です。先日掲載した小田原ツーリングあたりのルートと組み合わせるのがお勧めです。今の時期、国府津の峠で夕日が沈むのを見たら、そこからうな和に向かえばちょうど夜の部がオープンする頃。お客さんも少ない時間ので予約も取りやすいはずです。駐輪スペースは店の前にあります。
寅さんの故郷でうな重を食らう 川知家(柴又)
東京都の東の端、映画「寅さんシリーズ」で有名な柴又帝釈天にも参道にウナギ屋さんが並んでいます。このあたりの下町感、とってもいい。たぶん都会の人達来たらかなり旅している感じになります。東京なのにとっても不思議な空間。で、ここで有名なウナギ屋さやが川知屋さん。
店内に入って最初、あんまり期待していませんでした。観光客が大挙して訪れても大丈夫そうな感じだからあんまり手間かけてられなさそうし、出てくるものもそれなりなんじゃないかなぁ、って。
ところがいざ出てきたうな重食べてみたらレベル高い。じっくり蒸しているんだけど柔らかさ、脂の残し方、ウナギ本来の味のバランスがとってもいい。タレをつけながら焼いているから香ばしくてわずかにパリッとした感じもあって、口に入れて噛んだ瞬間、シャボン玉がはじけたみたいにフワってウナギの味が口の中に広がるんです。
やっぱね、関東風のうなぎはこの感じがないとね。「美味いねぇ、やっぱ江戸前のうなぎはこうじゃなきゃいけねーや」って思わず寅さんの真似をしてしまう取材陣なのでありました。
川千家 (かわちや)
東京都葛飾区柴又7-6-16
03-3657-4151
MotoBe メモ
柴又帝釈天にバイクで行くのであればバイクを止めるのは帝釈天有料駐車場になります。排気量の制限もありません。交通安全の祈願をしたらぜひ参道歩いてみてください。下町の雰囲気素晴らしいしいろいろなお店があります。ちなみにスタッフはウナギの後のお団子セットも食べてお腹いっぱいでした。柴又帝釈天の近くにはバイクで走れるようなルートはありませんが、例えば川千家さんで早い時間のランチをしたらそのまま北上して茨城、もしくは千葉方面に向かうなんていうルートもありではないかと思います。
この記事をかいた人
二輪業界に長くいる、MotoBeのアドバイザー兼ライター。バイク全盛期を経験しており、現在の愛車はRZ250、Z1000、MACHⅢなど。