ボタン1つで性格豹変?!MT-09/SP ABSはロケット加速と扱いやすさを両立させた万能型スポーツネイキッド
ヤマハのMTシリーズは250からミドルクラス、リッターまで幅広くラインナップされている人気スポーツネイキッドシリーズ。
今回紹介するMT-09はMTシリーズで一番知られているかもしれないモデルだと思います。
フルモデルチェンジしたMT-09はさらに洗練された仕上がりでした!
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ストファイスタイル全開の新型MT-09。
これまでのスタイルの雰囲気が残りつつ、今回のモデルから更に「悪そう感」が増してかっこよさも増してます!
発売当初から高性能なバイクでしたが、今回のモデルチェンジではエンジン、フレーム、電子制御系統、デザインなど旧モデルから大幅に進化し、さらに細かいところまで煮詰められました。
エンジンは水冷並列3気筒888cc、クロスプレーンを搭載。
2気筒、4気筒ならよく知られた形のエンジンですが、3気筒のエンジンってあまり聞かないはず。
ヤマハ独自のクロスプレーンコンセプトの3気筒なので、2気筒のトルク感と4気筒のマルチ感を両立させたエンジンなんです。
今回のモデ一ルからクイックシフターがアップ、ダウン両方に対応しています。
MT-07では正立でしたが、MT-09では倒立となっています。
ストファイというスタイルで見れば倒立のファットな感じは雰囲気マシマシでかっこいいですよね!
リアも細かいリンクなどの設定が見直され、サスペンションの動きが感じやすい仕様となりました。
ハードなライディングにも対応してくれるスペックがありつつ、街中でのライディング時もしっかり対応してくれるという許容量の高さ!
多少前傾ですがキツさは全く無く、ゆったりとしたライディングポジションなので通勤通学からツーリングまで幅広いシチュエーションに対応しています。
セパハンのバイクなどは正しい乗り方じゃないと横から見た時にライダーの姿勢が変になってしまったりするんですが、その点ストファイネイキッドは誰が跨っても自然と乗りやすくてかっこいいポジションにしてくれるので、スキルに関係なく上手い風に演出してくれます!
上位グレードのSPモデル
MT-09にはスタンダードモデルとその更に上位グレードモデルのSPがあります。
大きな違いはサスペンションでフロントはMT-09 SP専用のKYB製倒立フォークを搭載。
左右それぞれに伸圧減衰調整機構を備えているので、スタンダードでは調整しきれない、より細かいところまでセッティングができるんです。
リアサスペンションはMT-09 SP専用のオーリンズ製フルアジャスタブルサスペンションを搭載しており、前後共にスタンダードモデルよりも全域でスペックの高いサスペンションとなっています。
他にもスタンダードには付いていないクルーズコントロール機能がついていたり、外観面ではシートがダブルステッチ入り、塗り分け塗装のタンクなど全体的に性能も質感もスペシャルな仕様なんです。
足つきはちょっとだけキツめ?
シート高は825mmとMT-07よりも高くなっていて、跨った感覚も07よりは足つきが悪く少し頼りない感じ。
身長170cmの僕が乗って両足つま先が不安のない程度に付く高さです。
決して重いバイクではないのでこれだけ足がつけば十分コントロールできてしまうんですが、大型ネイキッドクラスの中では少し高めかもしれません。
MT-07に同じくシートのサイドがシェイプされているので、足が下ろしづらいなどはなく、単純にシート位置が上がって足が伸びている印象。慣れてしまえば全く問題ありませんが、400クラスのネイキッドで足つきが不安の方は慣れるまで少し高さを感じると思います。
キャラ豹変でどっちにも化ける!
前回同様MT-09も袖ヶ浦サーキットでの試乗となりました。まずはスタンダードモデルに試乗。
走り出してみると2気筒のような下からの力強いトルクで前へと押し出されます。
高回転まで回すと回り方がまるで4気筒! まさに2気筒と4気筒のいいとこ取りした味付けです。
MT-09は走行モードを選ぶことができ、大型クラスらしいダイレクトなフィーリングが「モード1」、バランス型の「モード2」、レスポンスを抑えた「モード3」、出力を押さえた穏やかな「モード4」と手元のスイッチで変更することができます。
このモード1が強烈なキャラで開けた瞬間ロケットのように加速していきます!
この加速の仕方はエンジンというよりモーターに近い感覚でサーキットではたまらなく楽しいですが、いざ公道ではこのパワーを扱いきれるのか不安になるレベルの速さ!
そういう意味で一番バランスの取れているモード2が快適でした。
しかしモード3、モード4に切り替えてみると全く別のマシンとまでは言いませんが、さっきまでのロケット加速は姿を消し、穏やかで扱いきれる性格に。
最高速やピークパワーよりもスロットルを開けた瞬間のフィーリングが変わるので、特にモード4は牙が抜かれて物足りなさを感じたことも。
合わせてトラクションコントロールの設定も手元で変更することができるので、走る場所、その時の気分に合わせて同じマシンでもガッツリ性格を変えて楽しむことができました。
SPモデルでは足回りの違いは歴然!
スタンダードより良く動いてくれるし、ハンドリングの自由度も高くなりました。
スタンダードではバイクを深く倒していたコーナーでも感覚的にはもう少し浅くてもバイクがどんどん向きを変えていってくれるんです。
サス以外にもトラコンや走行モードの設定など全てが上手く噛み合った結果なのかもしれませんが、スタンダードよりすべての動作が楽で限界値が高いのは確か。
スペシャルというだけあって全てにおいてSPモデルのほうは明らかに体感できる違いがありました!
まとめ
昔の大型バイクって大型クラスはハイパワー勝負、みたいなところがありましたが、最近の大型バイクはどんどん進歩していてパワーだけじゃなく誰が乗っても乗りやすいように作られています。
今回のMT-09はまさにその典型。
本来ならロケット加速のマシンを電子制御でどういう乗り方でもできるようにコントロールされてるんです。
凄い技術の進歩ですよね!
ボタン1つでこんなにキャラが変わるならライダーを限定せず色んな人が乗って楽しめるバイクだと思います。
是非ハイテクな今のマシンに乗ってみてください!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)