【レースデビュー連載最終回】初心者ライダー「オサ(21)」は果たしてデビューできるのか
【ここまでのまとめ】21歳、バイク大好きな「オサ」→レース経験なし→サーキットも走ったことがない→いつかレースに出たいと思って衝動的にツナギを買ってしまった→ブーツはまだ→そんなに出たいならMoto Beレーシングチームから出場させてあげよう→俺のレース人生はココからだ!→このレースに出場しよう!→でもこのレースもうすぐじゃん。→練習走行に行かなきゃ!→バイク直そう!→パーツが無い!→トラブル続出。超バタバタ→なんとかバイク完成!→いよいよ練習走行!→サーキット楽しい!→あれもうレースまで時間ない→あれこれ間に合うの?→やべえ間に合わねぇ→なんとか車両完成→いざ筑波へ!【イマココ】
そんなオサを皆さんで助けてあげていただきたいのが、この企画。
大事な事は1つだけ!
オサはレースやバイクに関して分からない事をTwitter(@hornet250_osa)でつぶやきます。それに対して皆さんの知識を分け与えてほしいのです。
@hornet250_osaさんのツイート
オサが無事にレースデビューできるかどうか、それは皆さんからのリプライ(返信)次第かも。
どんなに小さな応援でも構いません。
オサを助けてあげて!
ここからオサのレポート
やっとついたぜ、筑波!
3時間前まで作業していて早くもお疲れモードで筑波サーキットに着くと生憎の雨と駐車場は謎の大渋滞。警備員さんに聞いたところみんなレースに出る人らしい。こりゃ燃えてきた。
アドバイザーの後藤さんが助っ人でオイちゃんって人を呼んでくれたんだけど、
「オイちゃんってだれ?」「俺も知らない。」
準備は終わってるのに、快すら知らない人が急に助っ人としてくることになってるらしい。
そのオイちゃんと合流したけど、
「なんかすげえ人きたな。仙人みたいだぜ。」
なんて言ってると仙人(オイちゃん)が2台のバイクを見て一言。
「これでレース出るのか?車検間に合うの?」
俺と快はポカーンとした。ちゃんと昨日二人で車両規定チェックしたよな?
「全然終わってないし、ライダースミーティングがあるからお前ら作業できないだろ。」
そう、車検の時間とかぶってるから、俺たちはそれに出なきゃいけない。そうなると作業は1時間もできない。
「動ける奴全員起こせ!」
車で寝ていたむっちゃんとヒカルもお構いなしに叩き起こしてみんなで準備。これがまたなんか楽しい。(多分俺だけ笑)
「ゼッケン貼って!」「結束バンドほしい。」
「あーこれもダメだな。ここはこれで留めないと。」
そんなの車両規定に書いてなかったよ…。という言葉をギリギリ飲み込み、
時間になったので準備を任せて、ライダースミーティングに。
フラッグの説明やスタートの仕方をみっちり聞いたけど、この時の俺は車検に間に合うかどうかでハラハラ。
ライダースミーティング終わってすぐにサイドカーのレースが始まって俺はその次。
15分後くらいには車検は終わっていてスタンバイしている状況なのにこれから車検だから何かあったらアウト。
そんな俺にはいい知らせがあった。
サイドカーのレースでオイル漏れがあって、一時中断し、30分遅れで進行することになった。
パツパツの俺に神が手を差し伸べたがそれでもギリギリで車検場にダッシュ!
さすがに手作りでテープがぐるぐる巻かれたアンダーカウルを持ってきた息切れライダーには車検のおじさんも困惑気味(笑)
30分遅れてなきゃマジで失格になってた。そりゃオイちゃんも怒るわな。
「よし、行くか!」
さっきまで降っていた雨もいつの間にか止んでいて、まさに俺の晴れ舞台を筑波全体が待ち望んでいるかのよう。
けどハプニングはまだまだ続く。
予選の列に並んだけどスタンドに付いてた変なセンサーのせいでエンジンがかからない!誰か助けてくれっ!
ササッ!グッ!パチンッ!ブオオン!!
「よし、行って来い」おっ、オイちゃん!!
なにをどうしたかわからんけどとにかくスタート!
けど、走り出してすぐに前のライダーが転倒したり、コースのオイルを消す石灰にビビりまくった予選はあっという間に終わった。
決勝は一斉にスタートだから自分のグリッドを見ておくんだけど俺の後ろに2人しかいない。
あれ?俺遅い?でも暖気してなかったもんな。と自分に言い聞かせて再び降り始めた雨の中、暖気をして決勝に。
雨も強くなってきて、他の選手はレインタイヤに替えるのに忙しそうだけど俺はツーリングタイヤだからお構い無しさっ
下克上のスタートラインになる16番グリッドについて、ホーネットのやる気を確かめる。
フォオオオオン!!!(雨だけど頑張る!)と言っているみたいだった。
シグナルが点灯してコースが一気にエンジン音で包まれる。
一斉にスタート!!
え?いつシグナル消えた?
完全に出遅れたスタートだったけど他にも同じような選手がいたからちょっと安心。(笑)
第一コーナーでレインタイヤを履いた選手が膝スリしてるのを見て
「いいなぁ俺も使ってみたいなぁ。」
なんて考えているとダンロップ下を通過した時はケツから2番目になった。
そして、1周目最終コーナーで恐れていたことが起きる。
ズサササア!!
あれ?こけた?けど滑った感じはなかったよ?
コーナーの進入で早くも転倒。俺の心もバッキバキ。
だが、俺の脳裏に決勝前に見たフォロワーさんのツイートが蘇る。
『なんとか完走してほしい。頑張れ!』
俺の気合はMAXに!さらに奇跡的に転けた割にバイクがそこまで傷ついていない。よかった。(←かなり嬉しい)
転倒し、順位も最下位だった俺にピットのみんなはどんな声をかけてくれるのか…。
戻ると笑顔のないむっちゃん。
せっかく手伝ってくれたのに、全くいいところを見せれなかったな。
「え?オサも転けたの?仲間じゃん!」
ん?仲間?
どうやら快も転けたらしく、手伝ってくれたオイちゃんもこれには苦笑い。
「まあ、走りきれたからいいんじゃない?」というオイちゃんの言葉に被せるように
「オサ、コーナーの倒しこみが甘いから転けたんだよ笑」と楽しそうな後藤さん。
「ストレートももっと伏せないとな。」ってオイちゃんからもダメだし。
そのあと後藤さんは10年ぶりくらいのレースなのに優勝しやがった。
「俺、表彰式あるから、先帰ってていいよ。」
くそっ。俺も言いたいそのセリフ。
世の美女が離さないだろうな。
帰り道にお礼も含めてオイちゃんにFacebookでメッセージを送った。
俺的には「お疲れ様〜怪我とかない?またレース出なよ!」みたいな返事が来ると思ってたんだけどむしろ真逆。
「車検や整備はもっとしっかりやる。タイムスケジュールもちゃんと把握して周りを見て行動しなさい。(実際はこの7倍くらいの文章)」と長文の、いや超文のメッセージが返ってきた。
これってもう一回ちゃんとした車両でレースに出ろってことだろ?
絶対また、レースに出てしっかり結果を残してやるよ!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)