ハンドル周りに付いてるこの棒って何?ステアリングダンパーの役割と必要性、カスタムで付ける場合は要注意のパーツ
主に大型のスポーツバイクやカスタムバイクのハンドル周りにハンドルを動かすと一緒に動く棒のようなパーツを見たことありますか?
これはステアリングダンパー、通称ステダンと言って、ハイパワーのバイクを安全に乗るために重要なパーツなんです。
実際どういう仕事をしてるパーツなのか、今回はステアリングダンパーについて詳しく解説していきます!
車体の暴れを押さえてくれる重要なパーツ
こちらが例のステアリングダンパー。
一昔前のバイクではフレームとステムに付いていたり、最近のバイクではステムの上に付いていることが多いパーツです。
ステアリングダンパーの役目はパワーのあるスポーツバイクの車体の暴れを抑制してくれるもの。
スポーツバイクは攻めのポジションになっているため、基本前傾姿勢で乗ることになります。
コーナーの立ち上がりなどでアクセルを勢いよく開けた時、前に掛かる荷重が抜けてフロントタイヤが微妙に浮いた状態になることがあります。
ですが微妙に浮いた状態でハンドルが左右に振られて暴れだすことがあるんです。
ステアリングダンパーはハンドルの動きをゆっくりに抑制することで、この左右に暴れる現象を抑えているんです。
最近のスーパースポーツなどには基本どのモデルにも採用されています。
ダンパーと言う名の通り、激しい動きをゆっくりにダンピングしてくれる役割を持っています。
純正のステダンはマシンに合ったセッティングになっている
ハイパワーなマシンを操るために便利なステダンですが、逆に考えるとダンパーが必要ない街走りなどではステアリングの動きを悪くしてしまう可能性があります。
ですがノーマルの状態からステダンが取り付けられているバイクは、そのバイクに合ったダンパーのセッティングになっているため、低速ではほとんど効かず、激しく(勢いよく)動いたときのみダンパーとして機能するなど必要なときのみ活躍するようにセッティングされています。
カスタムの一種としてもかっこいい!けど要注意…
ステアリングダンパーは元々サスペンションやタイヤの技術がまだ低かった70年代のレースシーンから生まれたもの。
当時は今のようにフルカウルスポーツというジャンルがなく、ネイキッドマシンをスポーツカスタムして走っていたのですが、本来そんな走り方を想定していないバイクだったため、パワーを上げると車体が暴れだし、それを押さえるために生まれたんです。
なのでそのカルチャーを元に、ネイキッドのカスタム車などにカスタムパーツとして取り付けるなどもよく見られます。
もちろん単純にカスタムしたことでステダンが必要になって取り付けているという場合もあります。
ステダンが付いてるとネイキッド車でもスポーツバイクのような「ヤル気」を感じられるので人気のパーツです。
しかし、ステアリングダンパーは正しくセッティングしないとバイク本来の動きを邪魔することになってしまうため、車体に合わせたセッティングが必要です。
安いものは最初からダンピング度合いは固定ですが、ちょっといいものはダイヤルを回すことで効きの強さを調整することができます。
エンジンも足回りもノーマルで、現状ハンドルが振れたりしていないバイクに取り付けてもハンドリングの邪魔をするだけのパーツになってしまいます。
必ずしも付けておけばいい仕事をしてくれる、というパーツではないので、カスタムとして取り付けるなら強さを調整できるものがおすすめ、また取り付けるバイクのステアリング角度に合ったものを選びましょう。
まとめ
バイクは様々なパーツが一個に集まった集合体なので、小さなパーツでもそれぞれが重要な役割を持っています。
ですがカスタムしていくと徐々にノーマルのバランスが崩れていくため、そういう時に今回のステダンのようなパーツが必要になってくるんです。
ステダンは正しく使えばバイクの安定感をグッと引き上げてくれる便利なパーツなので、しっかりとしたセッティングと必要性をしっかり考えた上で取り付けましょう!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)