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【レストア】手を出しちゃいけない旧車DUCATI MHRは実は自分で直すなら超楽!ある意味国産以上に楽に直せる理由はコレ

関連記事:【レストア】絶対に手を出すなと言われている外車の旧車は本当に苦労するのか?DUCATI MHRをレストアしてみる

旧車の値段高騰が止まらないこの頃…。
もはや乗れる人数で換算したら外車スポーツカーより高いんじゃないかって旧車まで出てきました。

ある事情によりしばらく止まっていたMHRレストア企画。
今回はようやく作業が進んでやってみないとわからない部分が色々判明したのでご紹介します!

パーツはほぼ全て新品で出る


レストアしていくにあたって最初に不具合箇所を洗い出し、シール類を発注します。
今の時代ネットで注文できますが、最初パパっと調べた程度ではMHRの情報はあんまりでできませんでした。

しかし「DUCATI MHR 〇〇シール」とかで根気よく調べると、日本のベベル専門ショップが新品パーツを販売しているんです(ベベルはこの型のドゥカティエンジンの通称)。

例えばフォークシール。
片側だけオイルが滲んでたので、変えてしまおうということでオイルシールをネットで探してすぐに見つかったので注文

フォークシールの新品がないなんてバイクのほうが少ないと思いますが、とりあえずは一安心。

バラして掃除して組付けました。
MHRの場合は細かいところは違えど、サスやブレーキなど各部のパーツは国産車とあまり変わらないのでやり方さえわかってれば難なく分解組み立てできました。

唯一わからなかったのはフォークオイルの粘度。

ネットで見つけた英語のマニュアル情報ではATF指定でしたが、そもそもこの時代はフォーク専用のオイルというものがマイナーで、ミッションオイル(ATF)を使っていました

しかし今は逆にフォークオイルがたくさんあるので、大体粘度は同じくらいだろうと見込んでG-10を投入
全部終わって沈ませてみたところちょっと柔らかいのかもしれませんが、しっかりダンピングして動いてくれたのでこれで様子を見てみることに。

指定通りATFを入れるというのもありでしたが、今のATFと当時のATFは絶対同じものではないため、若干旧車ならではの知恵が必要でした。

次にリアブレーキが引きずっていたため、キャリパーもマスターシリンダーもオーバーホールすることに。
これももちろん新品のシール類が出ます。

一応ブレンボのブレーキなんですが、MHRだけではなく同じ時代のBMWやMoto Guzziなども同じ物が付いているためパーツには困りませんでした。

まずはキャリパーを分解して清掃、乾いたら新品シールを組み付ける作業。
これも全く問題なく、国産車と何ら変わらない、むしろ古くて単純な分簡単にバラせるので楽々でした!

いやコレ案外チョロいな〜SR直すのと変わんねぇや、と調子に乗り始めた頃、地獄を見ることになります

古いがゆえのバラせない地獄


さっさとマスターシリンダーもバラしてブレーキ付けちゃおう、とバラし始めたところ、事件は起こります。
形は一般的なリアのマスターシリンダーなのに、ピストンを押さえてるアイツがいないんです。

アイツとはサークリップのことなんですが、一般的なマスターシリンダーはピストンの脇からサークリップフライヤーを差し込み、クリップを取ることでピストンが抜けます。

しかしこのマスターシリンダーにはサークリップは無く、代わりにリングが入ってるんです。
リング以外は一般的な構造と何も変わらないんですが、見たことないリングだったのでそこから数ヶ月の間、暇を見て作業してはバラせないという格闘が始まります。

そして忙しかったというのもあり、半年経った頃、ついに分解成功
めちゃくちゃ嬉しかった〜!

こんなリング入れて取れるわけねだろ、ってバラした後も思いますが、ネットに情報があるのは普通のサークリップ式のものだけで、バラし方がわからず知り合いの車屋さんに聞いてみたところ、もう壊す勢いで分解するしかないよ、と言われて決心し、破壊を決行

結果本体は壊さずに分解できましたが、旧車好きが見たら悲鳴を上げそうな強引なバラし方でようやく取れました。

新品パーツと見比べるとこんな感じ。
明らかに汚れていたので新品を組み直したところしっかり動作してくれました!

下手すると今の所これが一番大変だったかもしれません…。

傷つけないようにキレイに組む


パーツは思いの外全く問題なかったMHR。
国内でも専門ショップが売っているものや、海外でも新品パーツが山程売ってました(特にイタリア、フランス、オーストラリアがアツい)。
ある程度英語が読めれば探すのはかなり簡単だと思います。

しかし古いバイクというのは変わらないので、いくら新品パーツがあるとは言え、傷物にしないように気をつけて分解するのが重要。

タイヤ交換もリムを傷つけないようにするリムガードを使いながら慎重に組み付け。
毎回使ったほうが絶対いいんですが、これまでSRやオフ車のホイールはガリガリになろうがどうでもいいや、と思ってガシガシやっていましたが、当時物パーツだと思うと急に気が引けてキレイに組みました笑。

結果最初から傷はありましたが、傷を増やすことなく無事組付け完了。
大部分をバラして組み付ける時に細かい各部を磨いたりグリスアップしながら組みました。

実はネットにマニュアルもリストも全部載っていた


ある程度メンテが進んだ頃にはすっかりベベルの情報を調べることにも慣れ、ついにはネット上にサービスマニュアル、パーツリスト、チューニングマニュアルなど一式載っているサイトを発見。
DUCATI MECCANICA

サービスマニュアルは分解するための説明書みたいなもので、パーツリストはどこに何が付いていて部品番号は何なのか調べるためのリストです。

これは新車で販売される時にメーカーから同時に販売されたり、バイク屋さんだけに配布されたりするもので分解するためには絶対必要なものなんです。

しかしこれは国産車ではありえない状況なんです。
マニュアルをスキャンしてネット上にアップするなんて、雑誌や漫画をアップするのと変わらないため違法アップロードとなってしまいます。

なのでZやCBなどのフルマニュアルはネットを探しても出てきません。

しかしベベルは発売してからもう40年以上経っていることや、世界中にファンがいるバイクなので、情報が公開されているんです。
しかもこのサイトだけでなく、そんなサイトが複数ありました

英語というのが唯一の難点ですが、そこは最悪スクリーンショットして、グーグル翻訳でカメラ入力すればこの通り。

若干日本語がおかしいところはあるものの、バラしや調整するためには十分なくらいわかりやすくなってます

こんなに情報が充実しているバイクが世の中にあるなんて…衝撃的でした。

結果、自分でやるなら凄く楽

当初はもっと情報がなくて苦労するのかと思ってましたが、しっかり調べると山程情報が出てくるためそこまで苦労していません
ただこのマニュアルなどの情報は見つけたのは大体全部終わった後だったので、しなくていい苦労をしました笑。

旧車=手がかかる、パーツがない、というイメージが強いかもしれませんが、今回のMHRに関しては全く問題なし!
ただし、絶対条件として自分でやるのであれば、というのが付いてきます。

日本にも様々なベベル専門店がありますが、プロショップに丸ごとお願いしたらめちゃくちゃお金がかかると思います。
しかしその車体のプロが組むので、素人が見様見真似で組むのとは圧倒的なクオリティの差があるため、それが必ずしも高いというわけではありません。

自分でやるか、バイク屋さんにお願いするかは自由ですが、自分でやってみた感想としてはこんなに自分でやるために情報が揃っているバイクって他を見てもハーレーくらいじゃないか、ってほど自分でやりやすいバイクだと思います。

諸々小整備は残しつつ、車検を目指して引き続き頑張ります!

この記事をかいた人

佐藤 快アイコン

28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)

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