知っておきたい工具の基礎知識 ハンマー

バイクの整備をするようになると予想していた以上にハンマーを使います。ドライバーを叩いたりする時もそうですが、ボルトを外しているのに部品が取れない、なんてことはかなり当たり前のようにあって、そういう時はプラハンなどでショックを与えたり、場合によっては思い切り叩いたりしなければなりません。だからハンマーは鉄のものとプラスチックハンマーの二つを用意しておくのが理想ですが、予算の問題で少しずつ工具を揃えるというのであればプラハン一つあればなんとかなります。

基本はプラハン


鉄のハンマーは、直接バイクを叩くと金属を凹ませたり壊してしまったりしますから、バイクを叩くことはほとんどありません。(古いバイクとかやっていると時々使いますが)ドライバーやタガネなど工具のお尻を引っ叩くのが9割って感じです。それに対してプラスチックハンマーは色々な部分を叩くことができます。ドライバーのお尻を引っ叩く場合もプラハンでは少々パワー不足ですが使えないわけではありませんので。プラハンよりも柔らかくて傷をつけにくいゴムハンっていうのもありますが、これは初心者には必要なし。まずはプラハンの使い方を覚えましょう。

なんでも手あたり次第に叩かないこと


プラハンを使う場合、とにかく頭に入れておかなければならないのは「壊さないこと」プラスチックのハンマーだからといって思い切り叩くと場所によっては簡単に壊れてしまいます。金属が薄い部分なんて割れたり変形してしまいます。ネジや部品が外れないのはなんとかなりますが割れてしまったら大事。そんなことにならないようにしていただきたいわけです。

使うときに大事なのは単にショックを与えるのではなく叩く方向や叩き方。分解する時は極力部品が外れる方向に力が加わるのが望ましいわけですが、そんな都合の良い叩き方はできないことが多いので手で引っ張るような形で力を加えながら叩きます。

※この場合は手でケースを引っ張りながら周囲を優しく叩いて引き抜くようなイメージ
またバイクのパーツというのは寸法精度が精密なものが多い為、斜めに持ち上がってしまうと外れなくなってしまいます。必ず均等に持ち上がるようにしてください。

組み立てて叩く場合も注意が必要。強く叩かないと入っていかないようなものは何かがおかしい可能性があります。そんな時は入っていかない原因をよく調べて対策してから組み立てるように。外す時と同じように組み立てる時も部品が斜めに入っていったりしないように注意すること。

プラハンがあると突然色々なことができるようになってバイクいじりが楽しくなるでしょう。

この記事をかいた人

後藤 武アイコン

二輪業界に長くいる、MotoBeのアドバイザー兼ライター。バイク全盛期を経験しており、現在の愛車はRZ250、Z1000、MACHⅢなど。

関連記事一覧