バイクのスピードメーターってどうやって動いてる?SR400のメーターが壊れたので分解修理してみた
公道を走るバイクに必ず付いているスピードメーター。
エンジンの回転数を表示するタコメーターは付いていなくても大丈夫ですが、スピードメーターは付いていないと自分が何キロで走っているのかわからないのでマスト!
編集部の5万円SRのスピードメーターが壊れてしまい、今回分解修理してみることに。
メーターの中身はどうなっているのか、全貌を解き明かしてみました!
故障は突然やってくる
先日編集部でレストアした5万円SRで走っている途中、ふとメーターを見てみると何かがおかしい…。
体感は40kmくらい出ているのにメーター表示は20km以下になっています。
ある日突然飛んだハッピーメーターになってしまったんです。
普通に危ないし、そして一週間後に車検を控えていたため急遽社外のメーターに付け替えて対応。
しかしSRの純正メーターってでっかいメッキのメーターが2つ連なっているのがかっこいいのに、社外に付け替えたせいでオールドな雰囲気が半減!
一刻も早くこの二つ目に戻したい!!
タコメーターも取ってストリートバイクっぽさを出しちゃうか、とも思いましたが、SRはできるだけ純正スタイルが好きなので純正のメーターを分解して修理してみることに。
故障はある日突然、しかも車検の直前なんて関係なしにやってくるものですね…。
いざ分解!
こちらが取り外したSR400の純正スピードメーター。
本来これが壊れたら交換するものですが、どうせ交換するなら仕組みを知りたい!あわよくば直してしまいたい!という感情が盛り上がってしまい、車体から外してメーター単体にしました。
SRのメーターはスピードもタコも同じく、メーターケーブルが付いていて、中に回転するワイヤー入っています。
この回転数を読み取って何キロ出ているか、何回転回っているかを針が指します。
ということは、まずは今どれくらい壊れているのかを知る必要があります。
そこで編み出したのが、いらなくなったメーターケーブルの中の回転ワイヤーだけを取り出し、ドリルで回して回転させるという技。
※画像は別のメーター
本来ならケーブル丸ごと使ったほうが良いですが、アウターカバーは千切れてしまったため、今回は中のワイヤーだけを使います。
いざドリルで回してみると…
動きはしますが、異常に低い速度が表示されています。
本来ドリルを全開で回すと40kmくらいを指しますが、20km以下を指していました。
実際より低い数字を指していることは確実なので、分解してみることに。
分解はかなり大変
メーターを分解するにはメーターを裏返し、ここのカシメてある部分をこじらなければいけません。(分解する際は自己責任で!)
本来素人が分解するようなものじゃないので、半分破壊しながらバラしていくことになります。
マイナスドライバーでできるだけプラスチックのカバーを傷つけないようにこじってカシメを開いていきますが、どう頑張ってもマイナスドライバーじゃ傷つきます。
多少は仕方ないのでそれは覚悟の上、丸々一周カシメを開きます。
するとプラスチックのカバーとカシメてあった金属のフレームを分離させることに成功!
メーターの中身がダイレクトに出てきました。
ちなみに以前別のメーターを分解したとき、このフレームを外す際にメーターガラスを割って大惨事になったので、できるだけフレームを歪ませず負担をかけないように分解します。
プラスチックカバーの後ろのネジ2本を外せばついにメーター本体が出てきました!
ワイヤー式メーターはこうやって回っている
こちらがメーター本体の仕組み。
ワイヤーの回転で青矢印のローターが回り、赤矢印のローターはその回転に引っ張られて回り、結果針が回ります。
赤矢印のローターは針と同軸になっていて、青矢印のローターが回ると磁力で引っ張られて速度が表示される仕組みです。
テストでガンガン回していたら、走ってもいないのに距離が増えてしまいました…。
メーターと同軸になっているローターを指で回してチェックしていると、一部にグリス?のようなものが付着した跡を発見。
今回のSRのメーターはグリスの跡が薄くてわかりにくかったため、画像は別のメーターの物ですが、このグリスが針の軸の回転を押さえて抵抗になっていたため、本来表示される速度より少ない速度で表示されてしまうというのが故障の原因でした。
汚れたグリスを拭き取ってドリルで回してみるとあっけなく復活!!
難しいようですがバラしてみると中身は以外と単純…。
組み直すついでに清掃・交換
メーターはしっかり動いてくれたので、あとは組み直すだけですが、どうせバラしたなら以前から気になっていたメーターガラス内側の曇りを取るため、拭きまくりました。
曇りは取れましたが、多分拭きまくったせいで曇りのコーティング?なんかも一緒に拭き取ったと思うので、今後曇っちゃうかも…。
まぁ素人がバラした時点で完璧なものなんてできるはずないので、細かいことは気にせず、掃除して組み直します。
プラスチックのカバーに再び取り付け、カシメを無理やりカシメ直します。
専用の器具を使えばキレイにできるのかもしれませんが、当然そんな道具はないので、マイナスドライバーで曲げ直したら平らなものを押し付けて無理やり曲げ直します。
当然キレイにできるはずもなく、汚い仕上がりですが、まぁどうせ使うの自分だし、カバーしちゃえばわかんねーべ!という適当に納得したところで修理完了。
※本来ならメーター内部は密閉されますが、カシメを外した時点で密閉されなくなるので雨などで水が入ってまた壊れる可能性があります。
メーター灯も交換
車体に組む前に前から片方切れていたメーター灯も交換することに。
量販店で12V 3.5W T10の球を買ってきて、付け替えてエンジンをかけてみたら無事点灯したので、メーターに組み込みます。
メーターからソケットを取り外す際、僕のタコメーターはめちゃくちゃ硬かったので配線をちぎりそうになりました。
少しだけ潤滑剤を吹いたらスルッと抜けたので良かったですが、多分強引に引っ張って配線ちぎるパターンもありそう…。
潤滑剤吹いてマイナスドライバーかピンセットなんかで、ゴム部分を優しく引っ張れば取れるので、実践する際は引きちぎらないように気をつけてください。
一応動くようになった!
組み直して修理完了!
ドリルでテスト後、走行してみたらしっかりこれまでと同じ速度が表示されたので今のところは直せたと思います!
メーター=精密機械というイメージがありますが、それは間違いじゃなくて中身はマジで精密です。
ですが回る仕組みは結構単純なので、ぶっ壊れたら捨てる覚悟で分解してみるのは面白いし、勉強になるかも?
真似する際は全て自己責任でお願いします!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)