マスツーリングでありがちな危険と回避する方法!みんなで走るなら知っておきたいポイントはここ!
秋はツーリングに絶好の時期。
美味しいものを食べに行こう、なんて話でバイク友達と盛り上がっているかもしれません。
そんな複数人でツーリングに行くことを「マスツーリング」と呼びます。
みんなで走るといつもとは違った楽しさがあります。
ただ皆で走るだけだから難しいことは何もなさそうな気がします。
しかし、実はマスツーリングだから気をつけておかないと危険なポイントがあるんです。
焦りは人を変えてしまう
危険なポイントとは、先頭を走るライダーから離されてしまった時です。
距離が開いてしまうと、取り戻そうとしてスロットルを大きく開けます。
こういう時、前のバイクだけに神経が集中する為、周囲の状況が良く見えていない状態になります。
何もない直線だったら良いのですが、横から出てくるクルマや歩行者、右折する対向車があっても、気づきにくくなってしまうんです。
必死に追いつこうとして加速している時、突然目の前にクルマが飛び出してきたら、ブレーキや回避する操作が間に合わなくなるかもしれません。
そしてもう一つ重要なのが追い越しです。
隊列の中にクルマが入ると、後ろの人は追い越して前に出ようとすることがあります。
特にバイクの経験が少なかったり、マスツーリングに慣れていないと、間にクルマが入って前のグルーブとの距離が離れると焦りが出ます。
前に追いつくことだけを考えてしまう為、普段だったら絶対しないような見通しの悪いコーナーで追い越しをかけてしまったりします。
そして初心者はグループの真ん中あたりにいることが多い為、こういうシチュエーションになりがち。
前はいなくなっちゃうし、真ん中の自分が行かないと後ろに人に迷惑だし、と思ってしまうはず。
別に飛ばしていなくてもこういう状況になることはよくあります。
峠の有料道路は要注意
よくあるのが見晴らしの良い峠の有料道路。
バスなどがゆっくり走っていたら先頭の人は挨拶をして追い越しをかけるでしょう。
けれどバスが止まらず走っていれば、全員の追い越しが終わらないうちに次のコーナーに入ってしまうことはあります。
むしろ日本のクネクネした道だと、そうなることの方が多いはずです。
みんなに続いて追い越そうとしていたライダーはこういう時、冷静になって「やめておこう」と考えるのではなく「いいや、いっちゃえ」と判断してしまうことが少なくありません。
マスツーリングの時に生まれるライダーの心理です。
関東のツーリングの名所、伊豆スカイラインやターンパイクは、こういった状態になりやすい道路だと言えるでしょう。
パッシングレーン(追い越しレーン)や短い直線で追い越しできる道路です。
追い越しをできる区間がそれほど長くない為、後ろを走るライダーほど追い越しに使える時間が短くなります。
「追いつかなければ」という焦りと「もうすぐ追い越しできる区間が終わってしまう」という二重の焦りが、普段だったら絶対しないような無謀な追い越しに繋がってしまいます。
しかもマスツーリングでこれを繰り返していると、ライダーはこういう状況に慣れてきます。
本当だったら危険極まりない行為なのに「今回もいっちゃえ」「大丈夫だろう」という意識になって、何度も同じことを繰り返してしまうのです。
コーナーリングでも全く同じことがおきます。
いつもなら遠くを見てコーナーに入っていくのに、前を誰かが走っているとその人ばかりを見てしまうことは良くあります。
一緒になってコーナーに飛び込んだら、自分が経験したことのないようなオーバースピードになっていて、怖くなって体が硬直。
バイクが倒せず、そのまま外側にはらんでガードレールにぶつかってしまう。
ショップ主催のマスツーは大体安心
編集部ではマスツーリングを行なっているショップ何軒かとライダー達に聞き取りをしました。
その結果、こういったことでヒヤッとしたことがあると答えた人は3/4以上になりました。
ショップでは定期的にマスツーリングを行なっていますし、初心者が参加することも多いのでこういった点にはとても気を使っていて、初心者が焦って走ったりしないようベテランが前と後ろについてカバーしたりするなど安全にはとても気を配っています。
いわばマスツーリングのプロみたいなものですから初めて参加しても安心に楽しめるはずです。
バイク仲間同士のマスツーは様々
仲間同士が集まって走る時はリスクに関して考えられていないことがほとんど。
初めてのメンバーの場合は、お互いのペースも良く分からないので、周囲が無理をしていないと思っていても、本人は必死で走っているかもしれません。
「無理してついてこなくてもいいからね」とベテランは初心者に声をかけます。
けれどこれはほとんど無意味です。
初心者や焦りがちな人は、その言葉に頷いたとしても離されたら必ず焦りだして無理をしてしまうことがほとんどだからです。
マスツーで安全に走るためのポイント
では、仲間同士でマスツーリングをする場合、どうしたらリスクを回避することができるのでしょう。
方法はいくつかあります。
①先頭を走る人がマスツーリングでのリスクを頭に入れて走ること。
②初心者はベテランが前後を挟んで走るなどして、焦りの暴走をさせないようにする。
③コミュニケーションを取り合いながら走れば焦ることも少ないのでインカムは有効です。
マスツーリングは一人じゃ味わえない感覚があってとても楽しいものです。
そこにあるリスクを理解して注意すれば、無用なリスクを避けることもできます。
これから迎える絶好のツーリングシーズン、安全に楽しくマスツーリングを楽しんでください!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)