渋さ満点の始動、キックスタートのやり方!一発始動、ケッチンを喰らわずにスムーズに人力でエンジンをかけよう!
バイクって基本ハンドルについてるセルボタンを押せば車と同じようにキュキュキュ、ブオーンとエンジンがかかります。
しかし中にはセルボタンがなく、ライダー自身がキックレバーを踏み降ろしてエンジンをかけるものも。
今回はそんなキックスタートのやり方とコツをSR400乗りが解説していきます!
渋さ満点のキックスタート!
最初に言っておかなければならないのが、キックスタートのバイクは数少なく、セル始動のほうが圧倒的に楽です。
普通はボタンを押すだけで終わるだけの作業をわざわざ体全体を使って始動するたびにやるので、めちゃくちゃ非効率的だし、アナログすぎるくらい。
ですがそもそもバイクはアナログな乗り物だし、だからこそ味があるというのも事実。
僕はキックスタートが大好きで所有しているバイクは2スト・4スト含め全てキックスタート車です。
バイクに楽さやハイテクさを求める方には一切おすすめできないやり方ですが、これがかっこいいよね!と一部しびれる若いライダーもいるはず!
そんなあなたに向けて解説していきます!
キックスタートのやり方
今回はキックスタートと言えばの定番車、ヤマハのSR400を使っていきます。
まず最初に車体右側にあるキックペダルを出し、ステップを折りたたむところからスタート。
キックスタート車の中には折りたたまなくても大丈夫なものもありますが、古い設計のバイクほど畳まないとペダルを踏み降ろした時にステップに当たってしまうため、最初から畳める構造になっています。
次にバイクに跨り、キックペダルをゆっくり踏み降ろしていきます。
この時点ではまだキーはOFFの状態。
踏み込んでいくと途中から固くて踏み降ろせないところまでいくのでそしたら次のステップです。
SRでは左側のスイッチボックスの下辺りに付いているデコンプレバー。
デコンプとは圧縮を抜くことでキックしやすくするもの。
固くて踏み込めなかったのはエンジンが空気を圧縮してしまっていて、それ以上は一度圧縮を抜かないと踏み込めないためです。
まれにデコンプは邪道、といってペダルが固くなってからもゆっくり踏んでデコンプを使わない人もいますが、個人的には使ったほうが早いのでいつも使っちゃいます。
デコンプレバーを引いた状態でキックペダルを少しだけ踏み込み、ピストンを上死点まで持っていきます。
上死点というのはエンジンの中でピストンが一番上にある状態のこと。
この状態からキックしないとかからなかったり、最悪ケッチンという踏み降ろした瞬間にキックペダルが跳ね返ってくるという凄く痛い思いをすることになります。
SRにはキックインジゲーターといってどこが上死点なのか教えてくれる窓が付いてます。
左が上死点じゃない状態、右が上死点の状態です。
シリンダーヘッドの小さな窓が上死点に行くと内部のパーツが見えるようになるので、これがあるとかなり楽です。
しかし慣れるとデコンプを握ってからの踏み込み方で上死点が掴めるので使わなくなってきます。
なので写真の窓はかなり曇っています笑。
上死点を確認したらデコンプレバーを離し、キーをONにしてペダルの一番上から勢いよくキック!
この時注意しておかなければならないのがケッチン。
勢いよくペダルが戻ってくる可能性があるのでペダルを踏み抜かずに、下まで踏み切った瞬間戻しましょう。
上死点からでもケッチンを食らう可能性はありますが、蹴ったらすぐ足を戻せば食らってもそこまで痛くありません。
調子が良ければキャブ車でも一発でかかりますし、インジェクションならほぼ確実にかかるでしょう!
キックスピードが肝心
大事なのはキックするスピードで中途半端にふにゃ、、、とキックしてもかかりません。
ふにゃ、っとキックした瞬間ケッチンを食らうこともあるので踏み降ろすスピードと足を戻すスピードはかなり重要です。
蹴ったら足をすぐに戻せる範囲で思いっきり、蹴り込んでください!
バイクの状態と人にもよりますが、一瞬かかってもすぐに止まってしまう場合は踏み降ろした瞬間スロットルを少しだけ開けるのも手かもしれません(チョークを引いていたら絶対NG)。
しかしスロットルを開ければケッチンを喰らう確率は上がり、跳ね返ってくる強さも強くなるので注意が必要です。
真横でキックするスタイルも
SRではあまりやる人はいないですが、バイクに跨らず右側に立ってキックするスタイルもあります。
古いハーレーやイタ車なんかはこの方法も一般的だと思います。
やる手順、内容は先程と全く同じです。
体重が極端に軽い方はこのほうが体重は乗せられますが、足を戻せないのと全体重を乗せるのでサイドスタンドではなくセンタースタンドでバイクを立ててやるなどそれなりのデメリットもあります。
正直、これはこれでかっこいいかけ方です。
しかしあまりに派手すぎるのとケッチンが怖いのでSRではあまりおすすめしません。
おじさんたちからは「SRであのかけ方してるよ笑」と笑われてしまう一面もあります。
しかしこのほうがかっけえ!!と燃える方は気をつけてやってみてください。
2スト車は蹴るだけ
今回紹介した方法は4ストの大きな排気量のバイクでやる方法。
2スト車はそもそも圧縮が低いのでデコンプもありませんし、極論上死点じゃなくても勢いよく蹴ればかかります。
ケッチンも食らったとしても排気量が小さければ屁みたいなもんなので4ストほど神経質になる必要はありません。
まとめ
キックスタート車は今でさえ国産ではSRくらいしかなく、それも最終モデル。
これからキックのバイクは出てくるのかさえ怪しいです。
ですがキックでエンジンがかかった時のあの満足感となんとも言えない雰囲気がたまらなく好きで、キック車を色々調べていた結果気づいたら全部キックのバイクになっちゃいました笑。
最近キックのし過ぎで右足太ももが太くなっているのが悩みです。
アナログを極めた始動方法なのでやってみたい!という方はまだ現存しているうちにキック車の体験をおすすめします!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)