エンジンがかからない時の最終手段、押しがけのコツ!いざという時はこの方法で危機を脱出しよう!
バイクに長く乗っていると、1年に1回あるかないかくらいは予期せぬトラブルに遭遇することがあります。
あーあ、って笑ってスルーできるトラブルなら良いですが、エンジンがかからない、とかになると出先から家に帰れないので大変!
特に古いバイクはトラブルに見舞われる確率が高いので、いざという時の緊急手段は知っておいて損はありません。
今回はエンジンがかからない時の最終手段、押しがけについて解説していきます。
基本はキャブ車限定の技
まず大前提として押しがけが通用するのはキャブレター式のバイク。
インジェクション車でも通用するモデルもありますが、基本キャブ車しかできないかけ方です。
キャブレター式のバイクはエンジンが回って、エンジンが生み出すガソリンを吸う力でキャブレターからガソリンが吸い込まれ、エンジンの中に入っていきます。
しかしインジェクションのバイクは電気でガソリンを噴射しているので、エンジンから吸われようがインジェクターが噴射しないとガソリンは送り込まれません。
ただ100%無理ではなく、バッテリーの電圧が十分にあって、長い距離押せるのであれば一部モデルではかかる可能性があります。
実際今回写真で登場するCB190TRはインジェクション車で押しがけすることができました。
理想は2人でやるのがベスト
押しがけするには2人いたほうが万全です。
1人はバイクに跨ってバイクを操作する人、もう1人はバイクを押す人です。
もし1人で押しがけしなければいけない状況の場合は坂道を使うなど、自分の押す力以外にバイクを前に転がす力を利用しましょう。
2人でやる場合
まずは2人で押せる場合のやり方から。
1人はバイクに跨り、ギアをニュートラルに入れます。
もう1人はバイクを後ろから押すため、力をかけても大丈夫そうなところを探しましょう。
基本テールカウルなどは大丈夫だと思いますが、レンズやナンバーが付いているフェンダーなどは強度が足りないので折れてしまう可能性があります。
お互いに準備ができたらバイクにまたがっている方は立ち乗り、押す方は勢いよくバイクを前に押し始めます。
この時周りに人がいないか、車が突然出てこないか注意してください。
ある程度スピードに乗ったらバイクに跨っている方はギアを2、または1に入れ、クラッチを離すと同時に座ります。
座るのは押し出す力を少しでも強くするため。
クラッチをゆっくりではなくポンッと離して前に進む力が弱くなる前にエンジンに動力を伝えましょう。
離してすぐエンジンがかかれば成功!
かからなければ、もっとスピードを上げるか、繋ぐ時のギアを1にするか。
1だとクラッチを繋いだ時にリアタイヤがロックしてしまう可能性があるので、その場合は2で試すか、坂道などよっぽどスピードを上げられる場所であれば3で試すのも1つの手です。
ニュートラルではなくギアを最初から入れておくと、抵抗が発生して押すのが大変なので、できるだけ押す時点ではギアはニュートラル、スピードが乗ってからギアを入れましょう。
1人でやる場合
1人でやる場合もやり方は一緒ですが、押すのもクラッチを繋ぐのも1人でやらなければなりません。
理想は坂道で下る力を利用するのがおすすめです。
まずはギアをニュートラルに入れ、走ってバイクをスピードにのせます。
ある程度スピードに乗ったら減速させないようにバイクに飛び乗り、ギアを2か1に入れてクラッチを繋ぎます。
結構忙しいのと特に重いバイクは飛び乗る時にバランスを崩しやすいので注意が必要です。
クラッチを繋いでエンジンがかかれば成功!
すぐにクラッチを握って回転を上げ、再び止まらないように様子を見ましょう。
しかし1人でやるのはかなり大変です。
裏技としては繋ぐ時にほんの少しだけアクセルを開けるとかかりやすくはなりますが、かかった瞬間前に進んで、最悪バイクだけ飛んでいくのでかなり危険な手段。
周りの状況と自分の体力と考えながら押しましょう。
かからないときはバイク屋さんか保険屋のレッカー
どんなに頑張ってもかからないときは、そもそも壊れているか、やり方が間違っているかの2種類。
壊れたバイクはいくら頑張ってもかからないので、潔く諦めるのも正解です。
知り合いのバイク屋さん、または近くのバイク屋さんに電話して車で引き取りに来てもらうか、任意保険でレッカーの特約がついている場合は保険会社に電話してレッカーしてもらいましょう。
どちらもダメな場合は有料のレッカーサービスを使って自宅、もしくは近くのバイク屋さんまで運んでもらいましょう。
押しがけは気合いと根気が必要
僕も何度か出先でエンジンがかからなくなって、1人で必死にバイクを押したことがあります。
3回やっただけで真冬でも汗だくになるし、10回やった頃には足がガクガクし始めます…。
しかし電波もなくかからないと帰れない状況だったので必死に押し続けてようやくかかりました。
しっかり整備されていない古いバイクはいつこういうトラブルが起こるかわからないので日頃の整備がいかに大切か身に染みました。
でもこういうのって1回失敗しないとわからない部分でもあるので、いざという時に試せる技として押しがけは頭に入れておきましょう!
この記事をかいた人
28歳MotoBe編集長。愛車はRA125、SR400、MHR、NSR250R(MC21)※組立中など大の旧車、2スト好きでもある。バイクに関するWeb記事、雑誌、ライトな写真撮影、脚本、イベントなど何でも編集屋さん。 関連記事:【バイクの魅力】バイクに乗り始めた理由は?「バイクがあれば色んな遊びができるから」ケース1(編集長)